AI活用で管理栄養士の働き方は変わる?忙しさを減らす新しい選択

「AIは便利そうだけど、今のやり方でも特に困っていない…」
そう感じている方も多いかもしれません。
ただ、業務の中には、やり方を少し変えるだけで、時間の使い方や働きやすさが大きく変わる部分もあります。その余白が生まれれば、本当に時間を使いたい専門的な業務に、より多くのエネルギーを使うことができるのではないでしょうか。
この記事では、その余白を広げるためのAI活用についてご紹介します。
AIは「何ができる存在」なのか?
AIは、管理栄養士の業務そのものを代わってくれる存在ではありません。
一方で、業務の効率を見直すためのツールとしては、非常に力を発揮します。特に、時間と労力を取られがちな、「考える」「まとめる」「形にする」工程を任せることで、管理栄養士が本来注力すべき「確認」「判断」「監修」といった専門的な業務に集中しやすくなります。
ここからは、実際の業務の中でよくある場面を例に、毎日の業務に余白を生み出すAIの活用方法を見ていきましょう。
情報の要点整理もAIでサクッと解決
論文やガイドラインなど、複数の資料を要約し、まとめる作業も、AIが力を発揮する領域です。
全体像を把握するための下準備として活用することで、「読む」「判断する」といった作業に集中しやすくなります。
ただし、どの情報を採用するか、どう解釈するかといった判断には、専門家の目が欠かせません。AIはあくまで下準備を効率化する存在である、という点は押さえておきたいところです。
書く前の「考える」を、AIに任せられる
セミナー原稿、ヘルスケアコラムの構成案、説明文の下書き、SNS発信の台本作成など、考えを言語化する作業は、時間がかかるわりに、管理栄養士でなくても担える作業でもあります。
AIを活用することで、ゼロから書き始める負担を減らし、「何を伝えるか」や「専門的な視点で間違いがないか」など、専門性がないとできない業務に集中しやすくなります。
資料づくりは、ゼロから作らなくていい
セミナーや研修、クライアント向け説明資料、給食だよりなど、資料作成は管理栄養士の業務の中でも時間を取られやすく、専門性が必要ない作業が大半です。
AIを活用することで、スライド全体の構成や見出しの流れ、1枚ごとの要点整理といった土台づくりを短時間で整えることができ、その分業務に余白を生み出すことができます。
デザインに悩む時間を、専門性に使える
資料やSNS投稿に使うビジュアルを用意する作業も、専門性以外のところで時間を取られる業務のひとつです。資料に添えるイラストや簡単な画像作成、さらにはSNSやプロフィール用の写真素材の準備なども、AIを活用することでスムーズに進められるようになります。
デザインに悩む時間をグッと減らせることで、その分、内容や専門性の確認に使う時間を増やすことができます。
AIがどうしても越えられない壁

ただし、AIは便利な一方で、明確な弱点もあります。
数字に弱い
栄養価計算など、数値の正確性が求められる場面では注意が必要です。それらしく見える数値が示されても、その正しさまでは保証されません。
情報の信頼度の判断
AIは、ネット上の膨大な情報を集めることは得意ですが、その内容の信頼度を見極めることは苦手です。
特に健康情報は、人の命や安全に関わる情報。そのため、エビデンスの質や背景を踏まえた判断が欠かせず、情報の信頼性を見極める役割は、私たち管理栄養士が担う必要があります。
もっともらしい嘘をつく
情報の質の見極めが苦手なだけでなく、さらに困ることがハルシネーションを起こすこと。ハルシネーションとは、AIが実在しない情報や不正確な内容を、あたかも正しいかのように提示してしまう現象です。こうした情報をそのまま使ってしまうと、誤解を招くだけでなく、ヘルスケア分野では健康への影響につながる恐れもあります。
管理栄養士が必要な理由

AIは作業を効率化する一方で、内容や表現の正しさを判断することは得意ではありません。そのため、管理栄養士の視点で確認することがとても大切になります。
食品成分表を理解したうえで行う栄養価計算や、健康栄養情報の信頼度の確認をするエビデンスチェックなどの監修業務などは、対象者やリスクを踏まえた判断と正確性が求められる業務であり、AIには担えない領域です。
こうした判断の土台になるのが、EBN(科学的根拠に基づく栄養学)の考え方。
エビデンスを適切に読み取り、状況に応じて活かす力があるからこそ、管理栄養士は情報を安全に、そして信頼できる形で届けることができます。
AI時代に価値が上がる管理栄養士とは
AIに仕事を奪われるのではと不安になるのではなく、AIとパートナーとして付き合える管理栄養士になりたいですよね。
管理栄養士でなくても担える作業はAIに任せて効率化し、最終的な判断は、EBNをもとに行う。
その結果、時間に余白が生まれ、自分の専門性をより活かせるようになるのではないでしょうか。




